2.3つの指導ポイント

  1. 自分の力で楽譜を読み取る力をつける
  2. 初めて来られた生徒さんのご父兄は、よく「音楽を好きになってほしい。ピアノを楽しんで弾く子になれば…」という言葉を口にされます。
    それは子供をピアノを習わせる親、そしてレスナーの一番の願いでしょう。

    ほとんどの子供達は、ピアノを習い始めて少しすると、よく知ってる曲などを探り弾きするようになります。それもとても楽しいことではありますが、やはり探り弾きできる曲には限界があり、ちょっと長い曲、複雑な曲になると不可能になります。
    探り弾きではなく、自分の弾きたい曲の楽譜を見て、それを誰の力も借りず、音楽にすることができれば…、本当に意味で、ピアノを楽しむ、ということに繋がっていくと思うのです。

    母親や先生に1から10まで手取り足取りしてもらって、やっと弾けるようになると言うのでは、弾けるようになるまでの苦労があまりにも大きく、新しい曲に取り組むたびに、苦しみが付きまとうようになります。

    私たちの教室では、初歩の段階からソルフェージュといわれている、音符、リズムを読み取る訓練に力を入れ、楽譜を目で追いながら、それを瞬時に音にしていく(連続置き換え作業と呼ばれています)ことに、力を入れています。
    将来、何らかの事情でピアノを習うことができなくなっても、弾きたい曲があれば、自分で楽譜を買ってきて、自分の力で表現できる、そんな力をつけてあげる事ができれば…、と考えています。

  3. ピアノの音色にこだわる
  4. ピアノという楽器は、管楽器、弦楽器と違って、音を出すということに関しては、とても簡単な楽器です。極端な話、猫が鍵盤の上を歩いても音は出てくるのです。
    それが長所でもあり、短所でもあるといえるでしょう。簡単に音が出てしまうから、その音の質ということに対して、無関心になりやすいのです。

    ピアノという楽器は、心をホッとさせる優しい音色も出れば、乱暴に叩きつけると、大変な雑音にもなってしまいます。

    小さい頃から、腕の脱力を習得し、楽な状態でピアノを演奏することを覚え、微妙な指先の感覚によってよく響く音、優しい音、 いろいろな音色の音を出せる事を知れば、ピアノに対する興味も、ぐんと大きくなると思います。
    難曲を弾きこなせなくても、簡単な曲を、心に響く美しい音で弾くことができれば、ピアノを弾くということが、 生徒にとっても、その周りの人にとっても、とても幸せなことになる、と考えています。

  5. レパートリーを増やす
  6. もう何年も前から、ピアノといえば、子供達の習い事の上位にあげられています。これだけピアノを習う子供達は多くなっているのに、実際に「ピアノが弾ける」という人は、本当に少ないです。
    「昔ピアノを習っていた。でも今は何も弾けない・・・」というのは、悲しい話ですが、現実なのです。

    私たちは、子供達がピアノを習うのをやめてしまった時、何が残せるのか・・・ということを考えています。
    誰かに、「ピアノ弾いて・・・」と言われた時、ふっとピアノが弾きたくなった時、いつでも弾くことができるレパートリーが何曲かあれば、ピアノとの付き合い方もずっと違ってくると思うのです。

    私たちの教室では、一部の専門を目指している子供達を除いては、基礎の終わった小学校高学年から中学校に入った頃から、このレパートリーを増やす、ということに力を入れています。
    その子に合った、いつまでも色褪せない名曲を1曲ずつ、レパートリーとして増やしていきます。弾きこなせるようになった曲も、時間のある限り、家でもレッスンでも、何ヶ月、何年と弾きつづけてもらっています。
    そうして長い期間弾きつづけて行くと、その後、しばらく弾かない期間があったとしても、手の中にちゃんとレパートリーとして残ってくれています。

    今教室に通っている中学生達は、少ない子でも3~4曲、多い子になると20曲以上のレパートリーを持っています。将来どんな時でも、目の前にピアノさえあれば、すぐに何かを演奏することができる・・・その時こそがきっとピアノを習って良かったな、と思ってくれる瞬間だと思っています。