セミナー「よい練習・悪い練習」

2008.5.20

昨日は、深谷直仁先生の
「よい練習・悪い練習」というセミナーがありました。

「練習」に関する問題は
指導者にとっても保護者の方にとっても
頭の痛い問題で・・・

会場は60名を越える方に
お集まり頂きました。(びっくり!)

この土日にステップを受けた子供たちの
お母さまもたくさん来てくださいました。
ありがとうございました!

まず最初に先生ご自身のお話・・・

高校1年からピアノをスタートした深谷先生
(その前は、声楽をなさっていたそうです。)
ブルグミュラーからのスタートだったそうです。

毎日6時間(2時間×3)練習されたとか・・・
チェルニー30番を2ヵ月半で終わらせた、と言う話には
会場から「ほ~~っ・・・」という声が・・・

今、歌のレッスンをしてもらっている
飯島君のことを思い出しました。

彼もうちの教室に来たのは
高校1年の時でした。
その時は、ポピュラーの曲を
ぽろぽろっと自分で遊び弾きしているレベル・・・
(指もふやふにゃ・・・)
それが高校3年には
ショパンのバラード、シューマンのノヴェレッテンを
弾きこなすまでになりました。

「毎日どのくらい練習してるん?」と聞いた時
「う~んと、5時間くらいかな」と言ったのを
いまだに覚えています。

本当にやる気さえあれば、
いつからスタートしても大丈夫なのだ、
(もちろん本人の相当の努力があればですが・・・)
と言うことを教えられます。

2時間のセミナーの中身は
とても論理的で充実した内容でした。

「興味はあるのですが、どうしても行けないので
 詳しくブログにアップしてください!」と
何人もの生徒のお母さんからメールいただいたのですが・・・

全部書き出すのは半日かかりそう・・・(笑)

いくつか特に印象に残ったことのみ
書きます。

◎小さい時からなるべく多くの曲数をこなし
「音楽語法」(ムジボキャ)を増やす。

◎「譜読み」することが練習ではない。
「譜読み」してから先が本当の練習(いかに音楽的に弾くか)
 (→小さいうちに、しっかりとしたソルフェージュ力をつける)

◎最初から楽譜に書かれていることの全てを見る。
→1回でも間違ったことを弾くと、それを脳が記憶する。
  (マイナス練習となる)

◎通しの練習は練習とは言わない。→本番の確認である。
練習とは、失敗しそうなところを取り出して練習すること。
(曲の途中から弾けない人は、練習の方法が悪い証拠)

◎ゆっくりの練習→本当に必要なテンポに落としているか。
どういう要素に対して、どういうテンポが何回必要かをきちんと決める。

◎モチベーションの三位一体化(本人・親・指導者)が大切。
モチベーションをあげる素となること
・CD、生の演奏を聴き感動する
・曲の内容を理解する
・作曲家のことを知る
・努力や成果を認めてくれる人がいる・・・など。

このお話の際に、先生がご指導された
ピアニストの田村響さんのお話が出ました。
響さんのお母さんは、今でも響さんが指導を受けられていた時の
300回分のレッスンメモをお持ちだとか・・・
お母さんの影のサポートがいかに重要か、と言うことでしょう。

まだまだ本当に書ききれませんが・・・

「テクニックの練習」をするのではなく
「練習のテクニック」を磨くことの大切さ・・・

われわれ指導者は
「練習のテクニック」を磨くための道しるべを
作ってあげることが重要なことを
痛感しました。

セミナー終了後は先生と
ダッシュで「お好み村」へ!!

深谷先生、3度も広島には審査で来られているのに
一度もお好み焼きを食べておられないと・・・(何てこと!)

目の前で焼かれる広島風お好み焼きを
興味津々で見ておられました。
で、無事「へら」を使って完食!(笑)

穏やかで本当に素晴らしい先生でした。
また広島にいらして頂きたいです!

こうして3日間のステップ&セミナー
無事終わりました。

いや~、昨日はちょっと疲れが出て
少々地面がゆらゆらしていましたが・・・
(疲れ過ぎるとめまいが出る?)

一晩寝ると元気が出ました。

火曜日は今月は3回しかないので
今日は通常通りのレッスンです。

「練習に関するアドバイス」もきちんと盛り込みながら・・・
頑張ろう!!

4.コンサート&講座 | コメント

“セミナー「よい練習・悪い練習」”へのコメント(4)

  1. 1 nori 2008-05-20 / 10:57:43

    ということは、よっぽどお母さんがお暇な方じゃないと、ピアノも上達しないってことでしょうか。
    ピアノを習わせる経済力がないとそもそもお話になりませんけど。
    kiku先生はどのようにお考えでしょうか。是非お聞かせ下さい。

  2. 2 kiku 2008-05-20 / 11:32:34

    「暇」か「暇でない」かは
    あまり大きな問題ではないと思うんですよ。

    私の今までの生徒を見ていても
    フルタイムでお仕事をお持ちのお母様でも
    必ず連絡帳をチェックしてくださる、
    休日の練習がどうであったか、記入くださる方もいれば、
    逆に一日家にいらしても、送り迎えだけ、
    連絡帳もなんどお願いしてもチェックすらしてくださらない
    (要するに、ほったらかし・・・)
    という方もおられます。

    どちらの子供が、上達し、長続きしてくれるかは
    お分かりだとは思いますが・・・

    親が子供のピアノに「興味を持っているか」
    「上達して欲しい」と願っているか・・・が
    ポイントのように思います。

    もちろん「ピアニスト」と世間から言われるようにまでなるのは
    もっともっと親の強力なサポートがいるのかもしれませんが・・・(経済力を含め・・・)

  3. 3 しま 2008-05-20 / 12:17:56

    先生、こんにちは!
    今回ステップに初めて生徒を参加させていただきましたが、な・な・なんと!!!
    ステップ効果、驚くべきものでした(@_@;)
    「失敗するのがいや」と、一番出場を嫌がっていた生徒が、終わってすぐに、「次の発表会に出る」と決め、
    日曜日の生徒も「失敗が嫌だから出たくない」と言ってた子が終わった日に「コンクールに出る」と決め、(しかしうちの生徒は失敗を恐れる子が多い・・・)
    しかも、なんと!ピアノ購入を決めて下さったお母様もいました。びっくりです~\(◎o◎)/!

    今日のブログもとっても参考になりました。
    行きたいと思っていたのですが、いけなかったので。

  4. 4 kiku 2008-05-20 / 20:49:47

    しまさん

    ありがとうございます~~!
    そういう話を聞くと、疲れも吹っ飛びます!

    生徒さんも、親御さんも
    ステップでピアノに対するモチベーションを
    ぐ~んとあげてくださったと言うことですよね。
    とても嬉しいです!

    今週木曜日の朝には
    来年の会場を押さえに行きます。

    何としても会場をとって
    来年も頑張ります!!