ツィメルマン語録

2006.5.10

ツィメルマンの講座、
文章にまとめるのはとても難しく、
とても私の文章力では伝えることはできないので、
私がメモして帰ってきた「ツィメルマン語録(?)」を
ここでご紹介したいと思います。

関本さんはショパンのピアノソナタ作品35を
演奏されたのですが、
楽譜がないと伝えきれない部分は割愛します。

言い回しが違うだけで、内容が同じと言うものも含まれます。
それは、ツィメルマンがどんな表現をしてでも、
皆に伝えたかったこと・・・と私は解釈しました。

「作品を弾くときには、その作品自身になりなさい」

「大きな作品を演奏すると言うのは、大きな家を建てるのと同じ。
家を建てる最初の第1歩は大変に重要な仕事です。」

「飛行機が滑走路を走り、いざ飛び立つ時の緊張感(もう後戻りできない)
・・・曲の出始めはそれと同じです。」

「最初の第一音で、聴く人の気持ちを引き寄せるのです。」

「最初の第1音を発したとたん、『聴く』以外の選択肢はないのです。」

「楽器を弾く、と言うことは、作品の真の姿を伝えると言うことです。」

「あなたはどうしたい?そして何を感じている?」

「(フレーズの組み立て方、アゴーギグの違いについて)
歌ってみなさい。踊ってみなさい。あなたはどうしたい?」

「ダイナミズムと緊張とは違う。Pでも大事な音はある。」

「バーンスタインは私に『クレッシェンドは静かに、と言う意味だよ』と言いました。
クレッシェンドの始めは『静かに』と言う意味です。
そしてクレッシェンドに向かうための緊張感を途切れさせないこと。」

「自分の演奏を分析してみる・・・
フレーズはどのくらいきれい?ハーモニーは何をもたらす?」

「ハーモニーはダイナミズムにどう影響されるかを考えなさい」

「(関本さんが繰り返しを省略したことについて)
 私は繰り返しをしないと生きていけない。
そして繰り返したものは、いつも自然と最初とは違うものになる。」

「休符はとっても大事。休符にはそこに音を当てはめて練習しなさい。」

「細かいフレーズが続く部分でも、前に進む強い意志を持つこと。
あなたは巨大な家を建てるのだから・・・」

「クレッシェンドはアッチェレランドの意味を持つ」

「ピアニッシモの和音は客の心を動かす。
フォルテでは心は動かない。」

「音の種類の意味を考えなさい。
転調した場合、その調が何を表すか・・・」

以上走り書きなので、正確な語録とはいえないのですが・・・

どれも大先生なら必ずおっしゃるようなことではあるのですが、
ツィメルマンの言い回しから、それがどれだけ大切なことか、
それを知っていても実際指導や演奏に繋げていないのではないか、
と言うことを大いに考えさせられました。

2部では講演と言う形で、
録音技術の進化と、それによる美学の変化・・・というお話をされました。
これもとても考えさせられる素晴らしい内容のお話でしたが、
長くなるので割愛します。

また公開レッスンの中で、ほんのちょっとですが
ツィメルマンが演奏されました・・・
お~~~!素晴らしい!!

このピアノソナタ、ツィメルマンの演奏で全曲聴きたい!!
そう強く思ったら・・・なんと福岡での公演で、
このプログラムがあったのです。

さっそく帰ってからチケットをゲット!!
5月30日、福岡まで聴きに行きます。

※PTNAのHPにも、この講座のことが載っています。↓
http://www.piano.or.jp/news/blog/2006/05/1400.html

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