ヤシンスキ教授公開講座

2011.9.3

2日の金曜日
台風接近のため、どよよ~~んとしたお天気の中
ショパンコンクールの審査委員長でもある
ヤシンスキ教授の講座に行ってきました。

6年前と全然お変わりなく・・・
にこやかで、颯爽とされているヤシンスキ先生でした。

2時間の演奏とお話・・・
内容は「モーツァルトとショパンの演奏解釈についての研究」

自分の記憶に留めるためと
行かれてない方のために・・・
ごく一部ですが、お話の一部をここに書いておきます。

(走り書きのメモを文字にするので・・・非常にわかりにくいですし
 ニュアンスが違う部分もあるかもしれません。)

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ホロヴィッツは、
「モーツァルトをショパンのように弾きたい。
 ショパンをモーツァルトのように弾きたい」と語った。

モーツァルトの音楽は人間的であり、
ショパンの音楽の正確さと、両方合わせもつ演奏が良い。

ツィメルマンは「人の気持ちに関することを弾いているんだ」と語った。

モーツァルトは「精神を大事にする人。心を大事にする人」

(ここからdmollのファンタジーを例に取りながら)

音について・・・

ルービンシュタインはこう言った。
「世界一の声楽家だと思って弾きなさい。
 リズムは全神経でとらえる。⇒中枢(お腹)で弾いている。」
      (なので実は演奏しているとお腹が痛くなるそうです。(笑))
 
ホロヴィッツはこう言った。
「全フレーズ、それぞれの音に、いろいろな要素が入っている。」
「音と音の間に必要なのは『緊張感』、階段の上り下り」

「弾いた瞬間に、歌い続ける」
       ↓
「長い音の出し方は弦をどれくらい弾くか、管をどのくらい吹くか・・・
 スキーのジャンプや、空を飛ぶ鳥のよう・・・」

「ピアニストはいつも弦楽器の奏者であり、管楽器の奏者であり
 指揮者でなければならない」

レガート奏について・・・

「レガートは指だけでもなく、ペダルだけでもなく
 音と音の間を歌うことで作り出す。⇒ハートで弾く」

(先生は一本のペンでメロディーを弾きながら、
音と音の緊張感を保つことでレガートが生まれることを実演してくださいました。)

日本人の演奏について・・・

「日本人は上品、お行儀が良い。
 ⇒本能的に弾く。何かを作り出すことが日本人は足りない。」

「日本人は素晴らしい手を持っている。素晴らしい脳を持っている。
 ⇒もっと自分のもっているものを全て表しなさい。
  感じていることを全て出しなさい。」

モーツァルトとショパンの共通点

「どちらもメロディーは、空中を漂うリボン
 その中の一つ一つの音は真珠。」
「同じ品、同じ優雅さを持っている」
「2人とも声楽がとても好きだった。」

そのあとモーツァルトのcmollのソナタや、Cdurのソナタ、
ショパンのcismollポロネーズやFdurのノクターン、
Op.24のマズルカの演奏と解釈をご講義下さいました。 
 
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お話も面白かったですが、
演奏・・・特にマズルカの演奏には・・・
参った!・・・です。(笑)

この雰囲気、やはり日本人では出せないよね~・・・
う~~ん・・・と唸りましたよ。

2時間の講義・・・あっという間の楽しい時間でした。

ヤシンスキ先生、ありがとうございました!

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