マグダレーナ・リサク教授公開講座

2013.9.21

楽しみにしていた
マグダレーナ・リサク教授の公開講座に
行ってきました。

ポーランドに生まれたリサク先生が
ショパンの舞曲、リズム、ルバートについて語る・・・
となると、これは期待度も大きくなるわけで・・・

で、登場されたリサク先生・・・
うわっ!すらりとした美しい方・・・!

まずは嬰ハ短調のワルツと
バラード3番を演奏して下さいました。うっとり・・・!

そして、次の公開講座、
約40分程度のものでしたが
これがなかなか面白い内容でした。

「曲を掘り下げて行く大切さ」ということで
まずは「版」についての話をされました。

先生のご推薦の版は「エキエル版」とのことでした。
ショパンのオリジナルを
深く深く掘り下げて研究されている版、と言うことで・・・

う~ん・・・これについては、何というか・・・
どうも私なんぞには少々違和感のある版なのですが・・・

ま、それはいいとして、エキエル先生
現在100歳なんだそうです。
そして昨年、99歳の時に
また新たにエキエル版に関する書籍も
書かれたとか・・・すごいな~・・・

そしてお次はペダリングについて・・・

ショパンの楽譜に書かれているペダルは
ショパン独特のペダリングで
これは印象主義の作品にも通じるもの・・・
というお話から、
フィンガーペダルの話、
ペダルを上げるスピードから、
離鍵のスピードとのタイミング→それにより呼吸が生まれる
などなど演奏を含め、具体的にお話し下さいました。

また次はテンポについて・・・

ショパンのお弟子さんの記述によると
ショパンはいつもメトロノームを使って練習していたそうです。

大変に正確なテンポを要求される部分と
力の抜けた自由さを要求される部分と・・・
二つの相反するものを結び付ける
(例えば炎と水のような・・・)
そんな難しさがショパンの作品にはある、
というお話も大変印象に残りました。

またルバートに関しては
室内楽や歌の伴奏をして
自然なルバートを身につけることの必要性、
歌の人が高音にあがった時の歌い方
そしてそれがどう降りて行くかなど、
声楽の処方を知ることでショパンのルバートがつかめてくる
と言うお話しでした。

また演奏者はいつも自分の中に指揮者を置くことが必要、
自分の演奏を録音して、それを聴きながら指揮をしてみると良い
と言うお話し(結構指揮できなかったりもするそうです)
そんな練習を積むと
自分だけでなく、お客さん(聴く人)にもわかりやすい音楽になる
と言うお話も納得!!でした。

また舞曲、ポロネーズやマズルカの演奏法等・・・

一番面白かったのは、
マズルカの旋律に見られる独特の歌い回しに関して・・・

ポーランド人は人に会うとすぐに愚痴を言い始める。
田舎の精神性・・・なんてこともおっしゃってました。
そしてその愚痴を何度も繰り返す
それがマズルカの歌なんだと・・・
先生があるマズルカの曲を弾きながら
ぶつぶつと愚痴をこぼされると・・・会場大爆笑!

私はショパンのたくさんのマズルカ、
何て切ないメロディー・・・とか思ってたんですが、
あれは愚痴だったんですね・・・(笑)

ポーランドのピアニストのお話しですから
説得力があります。
そう言えば、以前ポーランドに旅行した友人が
「ポーランドの人って、何か暗くて不機嫌なんよ」
と言ってたな~・・・
いつも不満をためてる国民なんでしょうかね~・・・(笑)

短い時間でしたが
印象的なお話が満載の楽しい講座でした。

その後の公開レッスンも
歯切れのよい口調で生き生きとしたレッスンで
楽しく聴かせて頂きました。

さ、今後も秋は
コンサートやセミナーやたくさんありますね!

できるだけたくさん足を運んで、充電の秋にしたいです!

4.コンサート&講座 | コメント

Comments are closed.