二葉先生

2003.2.8

今回の発表会、またまたうちの先生達と
連弾をしようか・・・と言うことになりました。

曲目はいろいろ案があったのですが、
最終的にフォーレのドリー組曲から弾く事になりました。

さて、練習練習と思い、本棚から楽譜を出してみると、
楽譜の表紙に見慣れた名前が・・・

校訂者の名前が、あの井上二葉先生でした。

二葉先生は東京にお住まいなのですが、
私の母校とは切っても切れないご縁で、
今は名誉教授となっておられる方です。

私も中学の時に1度公開レッスンを受け、
そのあとも大学での授業、講座、
卒業してからも卒業生対象の夏季大学でのフォーレ研究、
その他コンクールの課題曲研修などで、
ずっとご指導頂いた先生で・・・

私の大学時代の恩師のそのまた恩師にもあたります。
これって・・・大恩師?

故安川加寿子先生の1番弟子であり、
日本でフォーレと言えばこの人!と言うくらいすごい人なのですが、
実際には気取らない、穏やかでとても素敵な先生です。

上品・・・と言うのはこう言う人のことを言うのだ・・・と言うくらい
立ち振る舞い、話し方、全てが品のある方で・・・

その楽譜の解説文を、今日は何度も読みふけっていました。
ちょっと一部をここに紹介・・・

「全般に渡る注意としては、
柔らかい音色の時に二人の合わせ方に特に気をつけるよう。
鍵盤を降ろす速度はゆっくりした方が良いが、
音の出が遅れないためには早くから手首を上げて用意しなければならない。
そのあたりの奏法を揃えて、同質の音が同時に出せるよう練習してほしい。
その中で強調したい音を弾く指先にだけちょっと力を入れると
その音は浮き立つ。・・・・(以下省略)」

これって解説と言うより、誌上レッスンと言う感じ・・・
二葉先生らしいなーと思わずニヤリとしてしまいました。

文章って、本当に人柄を現わしますね。

ご自分の勉強してきたものを、惜しまず後に続くものに残したい・・・
そして、それをどんな人にもわかりやすく伝えたい・・・
そんな二葉先生の気持ちが伝わってくるようで、ジンとしました。

もうたぶん70歳を越えるご高齢にもかかわらず、
昨年は広島と東京でリサイタルをされました。

手の届かないような、大恩師ではありますが、
この曲を弾きたくなったのも、何かの縁なのかな・・・

他にも「粋な感じまで狙って欲しい。」と言うような
一説もありました。

「粋」・・・とっても難しいけれど・・・頑張ってみます!

思いがけず、大恩師と再会し、アドバイスを頂いたような・・・

そんな幸せな1日でした。

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